シネマノヴェチェントの「あらうんど四万十〜カールニカーラン〜」イベント上映会に行ってきた
先日の日曜日、横浜の映画館「シネマノヴェチェント」でご当地映画祭の企画として、あの「あらうんど四万十〜カールニカーラン〜」のイベント上映会があった。
上映後に監督・キャストのトークショーとその後に懇親会があったので、この映画をまだ観たことがない東京に住む同郷の高校時代の同級生を誘った。
「シネマノヴェチェント」は京浜急行で横浜駅からひと駅、戸部駅から徒歩で10分、藤棚商店街の入り口にある、席数は28席と小さいけれど、こだわりを感じる映画館だ。
思いのほか早く着いた。午前中からサウナに行って、少し喉が渇いていたので、チョイ飲みできる店は無いかと藤棚商店街を散歩していると、都橋「はる美」のノリスケさん(金曜日店主、女性)ご夫婦に会った。
先日、初めて「はる美」を訪れた際に、今日のイベント上映の事を伝えていたので来てくれたのだ。偶然だがノリスケさんのお宅はこの近所で、「シネマノヴェチェント」の館主とは知り合いだった。
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ノリスケさんは俺が映画館と反対側に向かって歩いているので、道に迷っていると思ったらしい。飲み屋を探していただけなのだが…
結局、昼間からやってる飲み屋は見つからず「シネマノヴェチェント」へ。
少し外で同級生を待ってから中に入ると、バーカウンターの前で、ノリスケさんが既にお酒を飲んでいた。その手があったのか…
そうこうしている間に同級生達も到着。 皆、すぐさまバーカウンターで生ビールを注文している。流石は酒飲み県の出身者だ。映画の中でも高知らしく昼夜問わずビールを飲んでいるシーンが多かった。リアルあらうんど四万十だ。
上映時間になったが、生ビールの樽を交換したばかりで泡が落ち着くのを待ち、注ぐのに時間がかかっている。しかしまだ映画は始まっていない。それはビールを注いでいる人がこの映画館の館主で、映写機を回すのも彼なので、ビールを注いでからじゃないと、映画は始まらないのである。こんなゆるい感じ、好きだな。
ビールも注ぎ終わり上映が始まった。
今日でこの映画を観るのは5回目。スクリーンで観るのはこれが最後かも知れないので、懐かしい風景をしっかりと目に焼き付けた。
今回初めて観た同級生二人も、高校の時に陸上部だったので余計に懐かしく感じただろう。
上映後、しばしの休憩ののち、監督とキャストと原案の西尾純哉さんが登壇しトークショーが始まるのだが、スクリーン前のテーブルにはビールが並べられていた。普通は水かお茶のペットボトルだろうが、このトークショーはビールを飲みながらやるらしい。監督もキャストも高知県出身なので、またまたリアルあらうんど四万十だ。写真は撮って無いのでノリスケさんのインスタでどうぞ。
トークショーの司会はビールを注いでいた館主だった。映画イベントの司会に慣れていて、この映画のこれまでの経緯を詳しく分かるような質問をしてくれて、初めて観た人もこの映画の事が良く分かったと思う。
監督が撮影中に小島よしおが来るのを当日まですっかり忘れていた話や、カンヌ映画祭で、ドバイの金持ちにこの映画を気に入って貰えて、パーティーにまで呼んでもらって、さらに新たな展開があるかと期待していたら、その後は何も音沙汰が無かった話など、普段は聞けない話も聞けた。
「シネマノヴェチェント」ではご当地映画祭は今回で2度目だそうで、そんなご当地映画の中には、館主自身がつまらないなぁと思うものでも、その地元の人が大勢で観に来る、大人気の作品もあったそうだ。ご当地映画は作品の出来と集客の相関関係はあまりないらしい。
そんな辛口の館主も、この「あらうんど四万十」はインディーズで低予算でありながら、脚本が良くて面白い作品なので、地元以外の全国各地の映画館や台湾やメキシコでも上映されたのだろう、と評していた。
これまで、映画を数多く観てきた人にそう言って貰えるのは、この映画を微力ながら応援してきた俺にとっても嬉しい。
その後は懇親会があって、監督やキャストと参加者で、鍋を囲みながら、和やかに酒を飲みつつ、話題は続編の話に。構想はあるようだけど先立つものが無いとね…
四万十市出身で俺と小中学校同級生の、タケシ役の荒木誠さんはトークショーで、空きっ腹でビールを飲んだために酔いが回って、トークショーの最中に眠そうな顔になっていたが、復活していた。一つ年上の小中学校の先輩と四万十のローカルな話題で盛り上がっていた。
終始ご機嫌だったのは、松田監督。
多分これが「あらうんど四万十」上映会、最後(?)のイベントだからか、やりきった清々しいこの笑顔。
ヤス役のビーグル38能勢さんとアキラ役の西村雄正さん。
能勢さんは芸人さんらしく、スクリーンの中でも笑いを取っていた。
TOHOシネマズでの舞台挨拶でも、壇上の監督や俳優さんが観客を前に緊張する中、絶妙な間でツッコミを入れて皆の緊張をほぐし、会場を沸かせていた。
新宿の松竹角座でのライブを観に行った時は、鉄板のおじいちゃんネタを披露していた。また観たいなぁ。
西村さんは、撮影の数ヶ月前から東京でロードバイクを買って、相当走り込んでから四万十での撮影に挑んでいた。道理で映画の中で様になっていたのだ。
ラストのタケシに背中を押されてからゴールするシーンはいつも涙腺が崩壊するんだよな。
あまりにも楽しくて、時の経つのを忘れていた。気がつくと22時を過ぎている。上映時間からだと7時間以上も経っていた。映画館にこんな長い時間居たことはない。
企画ももちろん良かったが、この映画館も良かった。シアターのイスも座り心地がいいし、バーカウンターもあって映画が好きで酒も好きな人にはたまらないだろうな。
ご当地映画祭での「あらうんど四万十」の上映は11月25日までだが、12月12日〜18日も上映されるので、まだ観てない方は是非ご覧になって頂きたい!
映画とトラットリア 横浜にある小さな映画館 シネマノヴェチェント
よさこい東海道に「とらっくよさこい」を観に行ってきた
8月に原宿で、「スーパーよさこい」を観てから約三ヶ月。
11月12日と13日の二日間、沼津でよさこいがある。
「よさこい東海道」が開催されるのだ。あの「とらっくよさこい」も出場するらしい。
「スーパーよさこい」の後も「とらっくよさこい」は西日本各地のよさこい祭りに参加していた。
今回は久しぶりに東京の近くに来るので、13日の日曜に沼津まで行ってみる事にした。
朝起きた時に鼻水が出てたのでバイクではなく電車でGO!
東海道線は、平塚から湯河原あたりの車窓の風景がイイんだな。先週、旅から帰ってきたばかりなのに、また旅行気分を味わった。
根府川駅のホームから見える海。
熱海で乗り換え。
電車は少し遅れたが、13時前に沼津に着いた。沼津駅からダッシュして、13時過ぎからの上本通りの「とらっくよさこい」の演舞には間に合った。
久しぶりの、「生よいさほいさ」はイイね。
距離が短いのか、それとも久しぶりに観たからなのか、すぐに終わってしまった感じだ。
街並みを考慮すると、原宿で観るよりも高知の演舞場で観ている感覚に近いんじゃないかと思った。
「とらっくよさこい」の次の演舞までは少し時間があるので、うろうろしていると…
たろうフラフを見つけた!
仲見世商店街に飾られていた。
たろうさん、第二子誕生おめでとう御座います!
イベント会場に行ってみた。
屋台ブースや食事用のテーブルとイス、ステージがあった。
ステージ上ではアイドルが歌っていた。よさこいとは関係ないのでスル〜。
タイムテーブルの出演者の中には、お笑い芸人の「BKB バイク川崎バイク」も来ていたみたいだ。
アーケード審査会場にも行ってみた。審査員席に、遠くからでも一際目立つ、金髪ロン毛のサングラスの男性が居た。シャ乱Qのリーダーの”はたけさん”だった。沼津にゆかりのある人なのだろうと出身地を調べると、大阪だった。あまり関係無かったね。多分よさこいが好きなんだろうね…
14時からの演舞の本町審査会場は、お客さんが大勢集まっていた。やはり人気が凄いな。
演舞が終わった後、「とらっくよさこい」代表の磯木さんと少しお話が出来た。このブログを読んで頂いた事があるそうでびっくり。
有難う御座います!
これからも”俺”はずっと「とらっくよさこい」を応援し続けます!
ここから「とらっくよさこい」の次の演舞までの時間が2時間以上あった。各会場をぶらぶらしていたが、暇を持て余してしまった。
そこで、髪の毛が伸び過ぎていたので、暇潰しに散髪する事にした。
沼津の商店街は飲食店関係は賑わっていたが、散髪屋さんは暇そうなので、ちょうど良かった。
沼津によさこいを観に来た観光客で、散髪するのは俺くらいだろうな。
思いのほか短くカットされて、精悍というよりは、凶悪な顔付きになってしまった。歌舞伎町に飲みに行く時は、怖い人に絡まれないように気をつけよう。
髪の毛もスッキリしたところで 、アーケード審査会場へ向かった。
この会場の最後の出番の「とらっくよさこい」の演舞は、観客や他チームの踊り子と一緒に、通行止め解除の時間ギリギリまで20分ほどぶっ続けで踊るのだ。
これを、「よさこい東海道」名物「とらよさ無限ループ」と言うらしい。
観客と思しき人も、振り付けを予習して来ているのか綺麗に踊っていて、皆さん楽しそうだ。
沿道で観ている人も皆、「よいさほいさ」でうちわや扇子を振って盛り上がっていた。
これは確実に言えるのだが「スーパーよさこい」の時よりも凄く盛り上がっていた。
高知の文化が、これほど静岡の皆さんに浸透していて楽しんでもらえる事は、高知県人として誇りに思う。
そして、高知からわざわざこの祭りを盛り上げるために駆けつ付けてくれた、踊り子の皆さんに感謝したい。有難う御座います。
「シマウマ酒店」(本店)と「さかな屋sancoシマウマ酒店」に行ってきた
この季節に仙台を訪れて、どうしても食べておきたいものがあった。
「セリ鍋」だ。宮城の郷土料理らしいが、最近まで知らなかった。セリの葉っぱの先から根まで全てを、鶏肉または鴨肉などと鍋に入れて食べるのだ。
セリは俺が秋田に居た時、きりたんぽ鍋には必ず入っていたので馴染みの食材だ。秋田でも根がそのまま鍋に入っていて、地元の人は根の部分に旨味があるのだと言っていた。
「シマウマ酒店」では、宮城県名取市のセリ農家さんの、こだわりのセリを使った鍋を数日前から始めていたのだ。
各店舗で味が違うそうで、nicoでは豆乳のセリ鍋、sancoは鴨肉と鴨の団子のセリ鍋だという。
nicoではトモゾウ君と貫ちゃんの渾身のアテを楽しんだので、sancoで鴨の「セリ鍋」を食べる事にしよう。
その前に「シマウマ酒店」(本店) のお燗番に期待の新人が入ったそうで、Iさんと本店へ向かい、お燗を付けてもらった。
情けないが、ここでもう既に酔っ払っていた様で、写真を一枚しか撮っていなかった。
お燗番のメグミちゃんは新人なのに、もう既にお店に馴染んでいて、この店でお燗番を何年もやっている様な感じさえある。詳しくは聞いていないが、貫ちゃんの様に飲食をやっていて、シマウマにお客さんで来て、魅力を感じたのだろう。今度来る時は、是非ともじっくりと飲んで、その辺の話を聞いてみたくなった。
その後Iさんと一緒に、いよいよ初めてのsancoに向かった。
昨年の夏に、sancoの入るビルの地下にある老舗のBAR「クラドック」を訪ねている。昨年末に惜しまれつつ閉店したが、今年の夏から新しいオーナーが店名もそのままに再オープンしていた。後で行ってみよう。
sancoの店内に入ってすぐのテーブルに、こちらを向いて座っている見覚えのある顔が…
なんと福岡の杜の蔵の溝口さんが居るではないか!
溝口さんとは10年以上前からの知り合いで、今年の8月に大阪の「べにくらげ」で久しぶりに会っていた。今度は仙台で再び会う事になるとは、驚くばかりだった。
次の日に盛岡で酒の会があって、この日は仙台に一泊するそうで、仙台に純米酒の燗酒を根付かせようと孤軍奮闘している、「酒坊主」こと池田酒店の池田さんと一緒に訪れていた。
再会を祝して乾杯した。
溝口さんは、長年日本酒の営業畑を歩まれて来た。現在の肩書は取締役営業部長と、世間一般の会社ではいわゆる”偉い人”なのだが、構える様な感じはなく自然体で、気軽に話しかけられる雰囲気のおじさんだ。真面目な会話の中に駄洒落(親父ギャグとも言うが…)を散りばめて周囲の人を煙に巻く。だから溝口さんの周りで飲んでいる人は彼の駄洒落を「今のは面白くないな」などと言いながらも、皆ニコニコと飲んでいるのだ。この日も頭の体操と言いながら、駄洒落を言っては、「溝口ワールド」に引き込んでいた。
池田さんとも以前から会ってみたかった。
仙台で年に一度、「純米酒bowl」という純米酒の大きなイベントが開催されている。そのイベントの主催者が池田さんなのだ。
仙台は何かと縁があって、ほぼ毎年訪れているが、ここ数年で燗酒を飲める居酒屋さんがグッと増えてきたのは、彼のそんな地道な活動が実を結んでいるのだと思う。
話に夢中になっていると、いつの間にか目の前に「セリ鍋」が!酔っ払っているので写真を撮っていない。
池田さんに取り分けて頂き、食べた。美味い!
仙台には「セリ鍋」のシーズンが終わる春までにはもう一度来たい。その時は「セリ鍋」をもっと味わえる様にsancoから訪れる事にしよう。
今回の仙台訪問は、俺は途中から酔っ払っていたので、Iさんにはたいへんお世話になったと言うよりご迷惑をおかけした。Iさんと一緒に飲んでいなかったら、多分sancoまでは辿り着けなかったんじゃないか?Iさん有難う御座います。仙台に行く度に、ご迷惑をお掛けするわけにはいかないので、次に訪れる時は、内緒でふらりと現れます。
今回の旅飲みは、大阪から仙台へ向かい、仙台では旅の疲れからか、または前日の飲み過ぎからか、すぐに酔っ払っしまった。いいタイミングで連休を取れたとはいえ、少し欲張り過ぎたようだ。しかし、東京では中々出会えないお店ばかりなので、新鮮だった。 特に仙台はこれからどんどんと面白くなりそうだ。仕事の出張などで訪れる機会が増えるといいな。
「シマウマ酒nico」に行ってきた
大阪に続き、仙台に朝着いてサウナに入って体調を整え、「シマウマ酒店」の中で一番早い16時が開店時間の「にほんしゅ屋シマウマ酒店nico」から行ってみた。
平日の16時とあってまだお客さんはいない。
店長の和食担当トモゾウ君と中華担当の貫ちゃんが迎えてくれた。
この店は、最初にお通しと一緒に燗酒が平盃で一杯出てくる。
この日の酒は、福岡の杜の蔵だった。そういえば夏に大阪の「べにくらげ」で杜の蔵の溝口さんに偶然会った。トモゾウ君にその時の話をすると溝口さんはこの店にも来た事があるそうだ。
一杯目は「神亀」の燗酒を注文。大阪から仙台に来ると流石に寒さを感じるので、さらに燗酒が美味い。
料理は「色々適当に…」とお願いすると、二人が次々と酒のアテを出してくれた。
牛スジのだまこ汁。だまこ汁とは秋田の郷土料理で、きりたんぽではなく、ご飯を潰して丸めた「だまこ(団子)」が鶏の出汁に入っている。仕事で秋田に住んでいて、食べた事があるので懐かしい。鳥ではなく牛スジだが、鶏よりも滋味があってイイね。
白子とあん肝ポン酢。もう酒飲みにはたまらない。特にあん肝は「神亀」に合う。
写真はないが、貫ちゃんが中華なべに油を入れて何かを炒めていた。油のいい香りがしているので何が出てくるのか楽しみにしていると、ラム肉の餃子だった。香りのいい油は胡麻油だそうだ。高い油を使っているんだな。これも燗酒に合う。
〆さばと黒ムツの刺身。サバは〆め具合も程よく黒ムツも美味い。燗酒をとめどなく飲んでしまう。
するとトモゾウ君が、ポン酢がまだあれば付けて食べてみてくださいと、黒ムツの皮。こんな細かなサービスが嬉しい。
酒粕&筋子とたこわさ。
味が酒粕と言われないと分からなかったので、トモゾウ君に訊ねると、味醂の粕を使っているそうだ。たこわさはかなり辛いので、少しずつ食べてくれとの事。山葵は直前にきざんで蛸と和えているから辛味が強い。その辺の居酒屋で出てくるたこわさとは別物だった。これだけで何杯も飲めそうだ。
他にも野菜の煮浸しや、宮城の酒を飲んだ。
しばらく一人で飲んでいると、社長のIさんが来てくれてご一緒した。近況やお店の事など興味深い話を聞いた。
「シマウマ酒店」で働いている皆さんは、お客さんとして通っていて「この店で働きたい」と言って入社してくるのだそうだ。
中華の料理人の貫ちゃんも最初は「シマウマ酒店」のお客さんだったのだ。中華と燗酒というスタイルが、彼の目には新鮮に映り、魅力を感じたのだろう。
そして 今はnicoでトモゾウ君と一緒に働いている。畑違いの料理人が側にいるのは、お互いにとてもいい刺激になるはずだ。
Iさんは、若い人はうちの会社で実力を付けて、ゆくゆくは独立して欲しいと仰っていた。
優秀な社員が抜けたら困るだろうに、社員の幸せの方が大事と思っている。太っ腹な社長だ。そんなところがIさんの元に人が集まってくる理由なのだろう。
大阪から仙台に向かった
大阪で燗酒を堪能した翌日、仙台に向かった。
なぜ大阪にいるのに、わざわざ仙台なのか?それは以前書いたこちらをご覧ください。
その日は平日だったので、新幹線や高速バスよりLCCを利用するのが安くて速い。
早朝の7時10分に関西空港を出発する便を予約した。
何があるか分からないから、空港には出発の一時間前には着いておきたいので、4時には起きなけらばならない。昨日は「燗の美穂」で閉店時間まで飲んでいたから三時間くらいしか寝られないのに起きられるのかって?
ご心配なく。仕事の時はそれほどでも無いが、遊びは真剣なので起きられるのです。
千日前の宿を出て、5分ほど歩いた南海難波駅近くの松屋で朝食。
東京では食べられなくなった、290円の牛めし並。首都圏では、チルドで配送するプレミアム牛めし並380円。値段も味も全然違っていて、なんだか懐かしい。
関西空港駅を降りてすぐのエアロプラザには、旅行者のための休憩所があって、シャワールームやスマホが充電できる設備があった。
今回利用するピーチアビエーションの第二ターミナルは、エアロプラザからシャトルバスで10分かかる。
平日の早朝なのに搭乗手続きの長い行列が出来ていた。
時間に余裕を持って空港に来たつもりだが、人が多くて先になかなか進まず、列に並んでいた途中で搭乗手続きの締め切りが近づき、仙台行きの客が呼ばれ優先手続き口に案内された。
保安検査のゲートをくぐり先へ進むと、いかにも安っぽ〜い鉄骨むき出しの搭乗口が。
その先は屋外で目の前に飛行機が駐機してある。
飛び立ってすぐ、淡路島と明石海峡大橋が見えた。
伊勢湾。空の青さが濃い。もっと上の方は紫に近い色だった。
富士山と甲府市あたりが見えている。
仙台空港には定刻に着いたが、後方の席だったために飛行機から出るのに時間がかかり、仙台へのアクセス電車には間に合わず、次の電車まで30分以上あるので、空港循環バスで館腰駅へ向かい電車で仙台駅へ。こちらの方が200円ほど安かった。
夜まで時間がたっぷりあるのだが、サウナはまだ少し早い。そこでSS30という高層ビルの無料の展望台に行った。
一緒にエレベーターで上ってきた地元のサラリーマン風のおじさんが、俺が観光で訪れたと思ったのか、ここから見える風景について説明をしてくれた。仙台は東京と違って親切な人が多い。
景色を充分堪能していたら、ちょうど良い時間となり、いつもの国分町にあるサウナへ。夜に備えて休養する。
「蔵朱」「べにくらげ」「燗の美穂」に行ってきた
今回の旅の最大の目的は、先月の「大江戸日本酒まつり」で見事な燗をつけていた大西さんの店、「蔵朱」(クラッシュ)に行く事だ。
京都から昼過ぎに大阪に着いてサウナに入り、夜行バスの旅の疲れを癒し、充分に体調を整えてから店に向かった。
なんと、夏のツーリングの時に立ち寄った「べにくらげ」のすぐ近くだった。
店内はカウンター6席と小上がりが二つで、大西さんが一人で切り盛りしている。流れているBGMは落語だ。
酒は西日本の酒蔵の酒を中心にかなりの種類が置いてある。
まずは、奈良県の久保本家酒造の数種類ある「睡龍」の中からお任せで注文した。
品書きには、大西さんが考えた「睡龍」のキャッチコピー「孤高の発酵アーティスト」と書いてある。この酒を造っている杜氏の加藤さんの事だ。
飲んでみた。
うん!これだ!この味だ。この温度だ。やはり大西さんのお燗は素晴らしい。大阪まで来て良かった。
気になる料理の品書きは、数多くあってどれから注文するか迷ってしまった。
結局、鰆の昆布〆を注文する。
鰆の旬は名前の通り春だと思っていたが、食べると脂が乗っていた。〆具合もいい。醤油の味も好みのものだった。酒の肴はこういうのがいいんだよな。これだけで三杯はいけるぞ。
と言うわけで、次々と酒を頼んだ。
この他にも飲んだが、撮り忘れていた。
俺は「大江戸日本酒まつり」で大西さんの燗酒を飲んでから、彼がどの様にして燗酒にハマってこの店を始め、燗酒の名店として今日に至るのか、興味があった。
俺と大西さんは歳が近く、お店を始めた頃と俺が燗酒を飲み始めた頃がほぼ一緒である。
その頃の日本酒は、冷やして飲むのが当たり前で、それが粋であり通の飲み方とされ、燗に向いた真っ当な酒を燗で出してくれる居酒屋など無かった。
燗を付ける設備がある店で、燗に向いた酒を燗にして欲しいと頼んでも、店の人にそんな事をするのはもったいないと言われ、燗酒の旨さを知る人間にとっては、肩身の狭い思いをした時代だった。
その日は、俺の他にお客さんが三組いたので大西さんは忙しく、ついにその事を聞く事は出来なかったが、彼はきっと一人で日本酒の飲み方の概念を変えようと、真っ向から立ち向かって行ったのだろう。苦労も多かったと思う。
その話は俺がいつか大阪に行って、大西さんと飲む機会があればその時までとっておこう。仕事の合間に出来る話でもないだろうから…
二時間程ではあったが充分に大西さんの燗酒を堪能出来た。
「蔵朱」を後にしたら、今度はすぐ近くの「べにくらげ」へ。
酔っていたのか、店先の生け花の写真しか撮っていない。
連絡しないで行って突然俺が現れたので、大将と女将はびっくりしていたが、事情を話すと納得していた。
「べにくらげ」は燗酒オンリーでは無いので、ストライクゾーンの狭い俺が飲めるお酒は「蔵朱」よりは限られてくるのだが、大将の作る料理と女将の燗酒が絶品で、いつも訪れるのが楽しみなお店だ。
訪れた時間が、一旦お客さんが引けた頃合いだったので、ご常連や大将と女将と酒に関する情報交換や、前回来た時に会った福岡の酒造会社のMさんに教えてもらった静岡の四川料理と燗酒の店に行った報告も出来た。
まったりと飲んでいると、お客さんが来始めたので、酔っ払いは店を後にした。
夜も更けて、微妙な時間帯でお店に入れてくれるかどうかギリギリだったが、せっかく大阪に来たので更にもう一軒。
博労町にある「燗の美穂」へ。
お分かりだろうか。この平盃かなりの大きさなのだ。
京都で買った平盃と比べるとこんな感じだ。
店主の美穂さんによると、これだと燗冷ましも出来てゆっくりと飲めるらしい。
俺はせっかちだから、どんどん飲んでしまった。何度も平盃に注がなくていいのだが、その分飲む量は確実に増える気がする。
そんな店主の策略(?)にハマって、遅い時間にもかかわらず、三杯も飲んでしまった。
画像は「蔵朱」にも「べにくらげ」にも無かった、大阪では珍しい、いつも飲んでる神亀。
さすがに三店舗巡ると、すっかり飲み過ぎてしまった。この様なはしご酒は、旅ならではだ。本当は一店舗ずつゆっくりと飲みたいのだが、何泊もする訳にもいかず、店主の皆様にはご勘弁願いたい。
京都に行ってきた
秋葉原からこれに乗っていざ西へ。
下車したのは京都。
京都に行くのが今回の旅の目的ではないので、何処に行くのか特に決めてなかったが、清水寺には行ってみたかったので、京都市営バスの一日券を買ってバスで行ってみる事にする。
京都駅北口のバス乗り場は市営バスの乗り場が何ヶ所もあるのに案内板が見つからず、土地勘のある地元の人でないと何処の乗り場に並んだらいいのか分からない。その辺は都営バスの方がかなり親切だと思う。
そういえば仙台の市営バスもかなり不便だったのを思い出した。何故、地方の市営バスはよそ者には不親切なんだろうか?
仙台はともかく京都は観光客がたくさん来るのだから、看板やスマホなんかで分かりやすい案内をするといいと思うのに…
そんな感じでやや迷いつつも朝の7時頃、清水寺に到着した。
門前の土産物屋は早朝で全て閉まっていたが、清水寺は6時から開門していた。
清水の舞台は思っていたより狭くてこんな感じだったけど…
真下から見上げると
迫力が凄い。よくこの高さを昔の人は飛び降りたものだ。
真下にある清水寺の名前の由来となった音羽の滝。こんこんと水が湧き出ていた。
水をすくう柄の長い柄杓は殺菌消毒する機械があった。
そこから清水寺を離れて朝飯を食べようと京都の街を彷徨うのだが、休日の朝からやってる店が極端に少ない。
大きな通りから路地に入って行くと何か良さげな雰囲気の通りが…
ガラス張りの商店のような店先で、廃材を利用したアートな作品が飾られていた。
そこからしばらく歩いて行くと、早朝にもかかわらず、和服の綺麗なお姉さんが歩いていて、花街の雰囲気になってきた。いつの間にか宮川町を歩いていたようだ。
ここで、観光客と思しき一人で歩いていたおじさんが、あるお茶屋の前で写真を撮ってくれとiPhoneを渡してきたので撮ってあげた。
最初は普通のポーズだったが、二枚目は周りに誰も居なかったからか、自ら「シェー」のポーズをしていた。
実はその二時間後に、そのおじさんと七条大橋でばったりと再開したのだが、なんだかバツの悪そうな顔をしていたな。
京都の風景は川が素晴らしい。
鴨川だけでは無く、細く流れる高瀬川も風情があっていい。
そんな風景を楽しみながら、京都の街中を小一時間ほど歩いて、四条烏丸の「都野菜賀茂」というレストランに辿り着いた。500円で京野菜などの朝食バイキングが食べられる店で、人気があるらしく、俺が入った後からは外に行列が出来ていた。
その後は国立京都博物館で、坂本龍馬展が開催されていたので行ってみると、博物館の周りをぐるりと長蛇の人の列が…
400〜500人は並んでいただろうか?
ツイッターのつぶやきによると、この日は坂本龍馬展に合わせたイベントがあって、アニメ「刀剣乱舞」のキャラクターのクリアファイルが配布されるので、それを目当てに殺到したのでは?との事だった。
並ぶのが大嫌いな俺は、もちろん予定変更して錦市場へ向かった。
長いアーケードの途中に焼き物を売ってる店があった。酒器が目移りするくらい素晴らしいのばかりだったので、平盃を思わず買ってしまった。
店の中にろくろがあって、裏手には窯があり全てこの場所で製作しているそうだ。
それからこれまで一度も乗ったことのなかった京阪電車で大阪に向かった。