「アフロ女将が贈る!いちがいおかんと日本海」に行ってきた
暮れも押し迫った12月のある日、「アフロ女将が贈る!いちがいおかんと日本海」と云う陶器ギャラリーのイベントで、アフロヘアでお馴染みの、元朝日新聞記者の稲垣えみ子さんが日本海側のお酒のお燗をつけるのだ。
陶器ギャラリーのイベントらしく、酒器が多く用意され。その違いも楽しみながら燗酒が呑めるとの事。面白そうなので行ってきた。
店頭のポスターも、昔のレコードジャケットみたいでカッコいい。センスがいいなぁ。
最寄りの中目黒駅周辺は、目黒川で行われているイルミネーション見物の人々でごった返していた。
イルミネーションを見るよりも、酒を呑みたい俺は人の流れをかき分けて、青葉台にあるギャラリーに向かった。
ギャラリーには開始時間を少し過ぎたばかりだが、もう既にたくさんのお客さんが集まっていた。アフロヘアの稲垣女将が燗銅壺(かんどうこ)の前に立ちお燗をつけている。
稲垣さんは、会うたびにアフロが巨大化しているようだ。
前回お会いした、「大江戸日本酒まつり」の時↓
今回のイベント。真剣な顔でお燗をつけている↓
ギャラリーに入ると偶然にも、「神田新八」代表の佐久間丈陽さんに会った。
神田 新八 本店 神田 和食全般 | 佐久間 丈陽 氏
彼とは何故か、思わぬ所でばったりと出会う事が多い。佐久間さんは最近、この近くの中目黒高架下に「伍燗」と云う新店を開店している。先日、開店の知らせの葉書を頂いていた。
お店を少しの間だけ抜けて、このイベントの様子を見に来ていたのだ。
たくさんのお客さんが一気に訪れたため、稲垣さんは戸惑っていたが、佐久間さんがアドバイスをしてスムーズに燗酒が提供できるようになった。流石はプロだ。
彼は10月に神田の金物通りで行われた「大江戸日本酒まつり」の主催者でもある。
大江戸日本酒まつり 2016に行ってきた - バイクと酒と…
日本酒、特に燗酒の普及に余念がない。いつ会っても腰が低くて真面目な青年だ。といっても、もう30代後半だから青年と云うのは憚られる歳かもしれない。
父上から家業を引き継いだ時、お店は2店舗だったが、現在では6店舗とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで突っ走っている。
俺は彼に会うと、商売で成功する秘訣を教えて欲しいと聞くのだが、こちらの訪ね方が悪いせいか、もしくは卑しい顔になっていて呆れられているのだろう、いつもはぐらかされて教えてくれないのだが、周囲の人から伝え聞く話では、彼はいつ寝ているのだろうと思われるほど、いつも仕事をしているそうだ。
それに彼の話を聞いていると「ご縁があって…」と度々「縁」と云う言葉が出てくる。
飲食業は蔵元、生産者やお客さん、従業員との縁も大事だろうし、新店を出店する際の不動産会社との縁も大事だろう。
よく働き、人と人との縁を大事にするのが商売を成功させる秘訣なのかも知れない。
こうして年に数回、少しの間だけだが、彼に偶然にばったり会う事も何かの縁なのだろう。彼にとっては俺に会う事は何のメリットも無いが、俺にとっては色々な事を考えさせられるきっかけになるので、こうして彼と会えるのは、ありがたい事だ。
稲垣さんの燗酒は、俺の好みの味だった。ただ、人が多くてせっかくたくさんの酒器があるにもかかわらず、器との相性を合わせる事が出来ず少し残念だったが、燗酒を呑む人が多く居る事に関心した。是非とも佐久間さんのお店に行って頂いて燗酒をどんどん呑んで欲しいものだ。