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上林暁とバーボンのボトル

映画 「あらうんど四万十〜カールニカーラン〜」を観てから、高知に興味がわいてきた俺。

映画の上映会の打ち上げに参加した時、同級生から漫画「深夜食堂」の作者、安部夜郎さんの話を聞いた。安部さんも同郷の人で、学年は違うが、通った幼稚園から小中高校までが同じ学校の先輩なのだ。その後、安部さんの著作を数冊購入した。

その中で、四万十市の食について書かれた本を開くと、最初のページに、安部さん行きつけの新宿のとある店にキープされているバーボンのボトルが描かれている。

ボトルには「四万十の 青き流れを 忘れめや  上林暁」と書いてある。20数年前に安部さんが高校時代の恩師と店を訪れた時に、恩師が上林の詩を書いたボトルを、何回も中身を入れ替えながら使っているのだ。新宿なら仕事場からも近い、俺もそのお店に行って、郷土の先輩の歴史あるボトルを見てみたい。

上林暁(かんばやしあかつき1902年〜1980年)とは高知県黒潮町出身の小説家で、最近では芥川賞作家の又吉直樹上林暁のファンと公言していて話題になった。

実は、その上林暁も俺の高校の先輩なのだ。

映画「あらうんど四万十」で晃が高校時代の陸上部の恩師石井監督(間寛平)のいる高校を訪ねるシーン、あれは実際に俺の母校の高校で撮影されている。石井監督の立っていた後方に、上林暁の石碑がある事を思い出した。

上林暁という名前は高校時代から知っているが、実は上林の小説を読んだことがないので、全く知らなかった。

小説を読んでみたくなって、本屋で探してみたが、著作は見当たらない。亡くなって35年以上経っているので新刊はあるはずもない。図書館に行くしかないか?と思いつつ、ふらっと入った高田馬場ブックオフ(古本屋)で、少し年配の店員さんにダメ元で、「上林暁の本は、ありませんか」と訪ねてみた。すると、俺が「かんばやしあかつき」と発音しただけで、名前がどのような漢字なのかも、一切説明をしてないのに、「一冊だけありますね」とすぐに見つけてくれた。ブックオフ高田馬場店は商品数は多いが、バーコード管理はしてないので、どこに何があるかはっきりとは分からないはずだ。しかし、この店員さんは上林暁の事を知っていて本がどこにあるか覚えていたのだろう。声をかけたのがこの人で良かった。しかも1970年発行の井伏鱒二との文学全集を一冊108円で購入できた。

それから、さらに上林暁の事を調べてみると、彼の故郷、高知県黒潮町に「あかつき館」という施設があり、その中に「上林暁文学館」があった。そのあかつき館の館長さんのブログに安部さんのバーボンのボトルの記事があって、しかも館長さんは最近その店に行ってきたとある。あかつき館に行って館長さんにお店の事をお尋ねすれば、教えてもらえるだろうか?文学館も見てみたい。しかもあかつき館近くには「あらうんど四万十」で4人が集まる居酒屋のシーンが撮影されたお店「ポコペン」が実際に居酒屋「ポコペン」として営業している。これは行ってみなければ!

年末の休暇が割と早く始まり、高速バスも直前で予約できたので、12月25日の夜に東京を出発した。