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映画 あらうんど四万十

俺は長年東京に住んでいて、故郷の高知についてはあまり関心が無く、地元の友達ともあまり連絡も取ってなかった。だが最近ある事がきっかけで妙に気になり始めた。それは、前のブログにも書いたが、この映画のせいだ。

映画  あらうんど四万十〜カールニ・カーラン〜

あらうんど四万十~カールニ・カーラン~

この映画は元々、映画館の無い高知県四万十市で開催している「四万十映画祭」で、オープニング作品として上映する目的で製作された。

監督やキャストもほぼ高知県出身者で、四万十市周辺で撮影が敢行された。

地元発の映画なので、製作費はクラウドファウンディングや地元の企業や商店、多くの人々の支援を受け捻出した。

最後まで観たら分かるがエンドロールの長さがそれを物語っている。キャスト・スタッフよりも協力協賛の自治体や企業や商店に個人、クラウドファウンディングでの支援者のクレジットが圧倒的に多かった。こんな映画のエンドロールは初めて見た。

撮影は二度も台風に襲われるアクシデントがあったが、二週間で撮り終えることが出来た。

2015年2月の「第二回四万十映画祭」で上映され、キャストによる舞台挨拶、レッドカーペットなどのイベントで多くの人々が盛り上がった。しかしそれだけに留まらず、その年の秋からこの映画の快進撃が始まる。

まず、東京の新宿や六本木のTOHOシネマズの大スクリーンで上映会&舞台挨拶が開かれると大入り満員となり、高知や愛媛でロードショーが決定しロングラン公開された。

その後には全国各地の映画館で公開され、今年の10月には大分県別府市高知県安芸市、静岡県磐田市で上映される。見逃した方はDVDも発売される予定なので是非どうぞ。

国内のみならず、海外では過去には台湾、現在ではメキシコの60都市100館で8月26〜9月29日まで上映されている。

メキシコは遠過ぎて、関係者は状況を見に行けてないらしいが、ツイッターでは「好きな映画」とか「愛した」と反応があるそうだ。

Tiempo de Cambio - Tráiler Oficial - YouTube

超ローカルだけどインターナショナルなこの映画には、俺の知り合いが何人か携わっている。プロデューサーの米津とタケシ役の荒木と調理指導のHは同級生だ。

その他にも高知出身ではないが、エイジ役の古山憲太郎さんは、彼の所属する劇団「モダンスイマーズ」の舞台公演を俺は昨年初めに観に行っていて、俄然注目している俳優さんだったのだ。

モダンスイマーズ 古山憲太郎 オフィシャルブログ「古山の奇妙な暴言」

そんな古山さんが俺の知り合いの、超ローカルな映画に出演してる!?

そんな不思議な縁を感じながら、米津に誘われて、新宿TOHOシネマズの上映会&舞台挨拶で初めてこの映画を観た。

内容は、アラフォーのおっさん4人の笑いあり、涙ありの物語だ。それだけ聞くと、なんか面白いの?って感じだが、それぞれの登場人物の置かれた立場や苦悩する所が、今までの自分の経験などから、観ていてとても共感する所があった。ジャニーズやAKBも出てこないので派手さは無いが、いい映画だ。古山さんのここぞという所でキラリと光る演技も素晴らしかった。

四万十市周辺で話されている方言の幡多弁(はたべん)のセリフも、皆さん完璧だった。

高知県の西部では土佐弁ではなく幡多弁が話されている。同じ県内なのに高知市とはイントネーションや言葉が全く違うのだ。

高知市出身のヤス役のビーグル38能勢さんは、幡多弁を特訓するためにシュン役のツーライス大ちゃんの土佐清水市の実家に泊まりに行き、幡多弁を習得したそうだ。

 全編四万十市周辺で撮影されているので、俺の生まれ育った街の、そこかしこがスクリーンに映し出され、全てのロケ地の場所が分かってしまうほどだ。特に主人公、晃の実家の寿司屋のシーンを撮影したお店は、実際に寿司屋を営んでいて、俺が帰省した時には、必ず行くお店なのだ。こちらだ↓

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東京の映画館の大きなスクリーンに見慣れた風景が映ると、幼い頃の記憶がよみがえって来て、心の中で特別な感情が湧き起こった。それは、この前のスーパーよさこいの、東京の街なかでよさこい節のメロディを耳にした時と同じ感覚だったのかもしれない。この映画を観たらなんだか四万十に帰りたくなってきた。

 

上映後の舞台挨拶では多くのキャストが登壇して盛り上がった。

舞台挨拶も終わりロビーに出た所で、米津が俺の他にも東京に住む高校の同級生を二人誘っていたので、何十年ぶりに再会した。懐かしい!

その後のキャスト・スタッフの打ち上げにも三人で参加させてもらった。高知の飲み会は初めて会う人でも、「カンパイすればもう友達」みたいな、そんなウエルカムな雰囲気があって好きだ。

みんなでワイワイと飲んでいる中、喫茶店ひいらぎのマスター役のデハラユキノリさんが隣にいらしたので話をした。

「フィギュアの人形のデザインをしているんです」

と話されて、シャイでもの静かな感じの方だった。後で知ったのだが、いきものがかりのアルバムジャケットやナイキの広告を手がけている凄いアーティストで、個展ではブリーフ姿でペイントアートを披露するそうだ。あの、シャイでもの静かな人がどうなるのか、是非一度見てみたいものだ。

そんな濃ゆい人に会った事で、だんだんと高知に興味がわいてきた。今まで、高知に関心のなかった俺の気持ちに変化を起こしたのは、最初に映画のせいだと書いたけれど、詳しくは映画に出演していた、デハラユキノリさんだったのかも知れない。

  デハラユキノリのフィギュアワールド / www.DEHARA.com