大阪府 難波 「スパディオ」に行ってきた
年末、少し忙しく予定もあまり立てずに大阪を訪れた俺。
大阪市内でサウナのある宿泊施設を探していると、何軒か候補があった。
そのうちの一つ、今まで泊まった事のない「スパディオ」に泊まる事にした。
プロサウナーのトントン先生のブログに、少し残念と載っていたので回避しようと思っていたが、残念具合を見に行って欲しいとコメントを返して頂いたので行く事にした。
昼過ぎにチェックイン。
カプセル宿泊料金は3800円。この施設は女性も利用出来る。
早速ロッカーで館内着に着替えて、浴室のあるフロアへ。身体を洗ってまずは風呂へ。湯は地下1000mから湧き出る温泉で、打たせ湯、ジャグジー、ラドン湯、白湯、岩風呂と種類も豊富だ。
サウナは、高温と塩サウナの2種類。高温サウナの中は温度は充分なのだが、トントン先生の仰る通り乾燥していた。
立派なサウナストーブ上のサウナストーンに天井から自動で水が垂れるのだが、その量が少ないのだろう。 他の店でも同じ装置を見たが、もっと水の量は多く垂れていた。
このサウナの独特な所は、個人用のサウナマットは無く、サウナ内には館内着のパンツを履いて入るようにと注意書きがあった。リネンの種類を少なくしてコストを下げているのだろう。
タオルと一緒にパンツが大量に浴室の入り口に 用意されていた。
だが、いちいちパンツを履いてサウナに入り、 水風呂に入る前に脱ぐのは面倒くさい。タオルを数枚持って入り尻の下に敷いて、汗をサウナ内に残さなければ良いのではないかな?
水風呂は、体感で20度は下回っているようで満足したが、種類が豊富な風呂に比べて狭いのが残念。
外の岩風呂の側には外気浴スペースがある。近くの高層マンションから目隠しの為のすだれがあるのだが、所々壊れていて残念。
建物の5階にあるので目の前を走る阪神高速15号堺線が近く感じる。近くの「アムザ」の外気浴スペースも同じように目の前が高速道路の風景だが、「アムザ」は6階なので少し開放感がある。
サウナ→水風呂→外気浴を繰り返した後は、もっぱら岩風呂でゆっくりした。
風呂から上がり、フロントでドリンク一杯サービス券を貰っていたので食堂へ。
小ジョッキとはいえ、サウナ後のビールのサービスはイイね。しかし、カウンターで呑んでいると、目の前の厨房のコンロから何故か白い煙がもうもうと出て来たので、直ぐにその場を離れた。その後も普通に営業していたので大事には至らなかったらしいが、ゆっくりと呑めなかったので、やはり残念。
それから外に呑みに行き、終電を過ぎてカプセルに帰還。翌朝寝坊してしまい、サウナと水風呂にささっと入ると、朝食を摂る時間が無くなってしまい、食堂は利用せずにチェックアウトした。
振り返ると、温泉は良かったけど、サウナ→水風呂→外気浴はいまひとつで、「ととのう」事は無かった。
トントン先生、残念具合が良く分かりました。
「アフロ女将が贈る!いちがいおかんと日本海」に行ってきた
暮れも押し迫った12月のある日、「アフロ女将が贈る!いちがいおかんと日本海」と云う陶器ギャラリーのイベントで、アフロヘアでお馴染みの、元朝日新聞記者の稲垣えみ子さんが日本海側のお酒のお燗をつけるのだ。
陶器ギャラリーのイベントらしく、酒器が多く用意され。その違いも楽しみながら燗酒が呑めるとの事。面白そうなので行ってきた。
店頭のポスターも、昔のレコードジャケットみたいでカッコいい。センスがいいなぁ。
最寄りの中目黒駅周辺は、目黒川で行われているイルミネーション見物の人々でごった返していた。
イルミネーションを見るよりも、酒を呑みたい俺は人の流れをかき分けて、青葉台にあるギャラリーに向かった。
ギャラリーには開始時間を少し過ぎたばかりだが、もう既にたくさんのお客さんが集まっていた。アフロヘアの稲垣女将が燗銅壺(かんどうこ)の前に立ちお燗をつけている。
稲垣さんは、会うたびにアフロが巨大化しているようだ。
前回お会いした、「大江戸日本酒まつり」の時↓
今回のイベント。真剣な顔でお燗をつけている↓
ギャラリーに入ると偶然にも、「神田新八」代表の佐久間丈陽さんに会った。
神田 新八 本店 神田 和食全般 | 佐久間 丈陽 氏
彼とは何故か、思わぬ所でばったりと出会う事が多い。佐久間さんは最近、この近くの中目黒高架下に「伍燗」と云う新店を開店している。先日、開店の知らせの葉書を頂いていた。
お店を少しの間だけ抜けて、このイベントの様子を見に来ていたのだ。
たくさんのお客さんが一気に訪れたため、稲垣さんは戸惑っていたが、佐久間さんがアドバイスをしてスムーズに燗酒が提供できるようになった。流石はプロだ。
彼は10月に神田の金物通りで行われた「大江戸日本酒まつり」の主催者でもある。
大江戸日本酒まつり 2016に行ってきた - バイクと酒と…
日本酒、特に燗酒の普及に余念がない。いつ会っても腰が低くて真面目な青年だ。といっても、もう30代後半だから青年と云うのは憚られる歳かもしれない。
父上から家業を引き継いだ時、お店は2店舗だったが、現在では6店舗とまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで突っ走っている。
俺は彼に会うと、商売で成功する秘訣を教えて欲しいと聞くのだが、こちらの訪ね方が悪いせいか、もしくは卑しい顔になっていて呆れられているのだろう、いつもはぐらかされて教えてくれないのだが、周囲の人から伝え聞く話では、彼はいつ寝ているのだろうと思われるほど、いつも仕事をしているそうだ。
それに彼の話を聞いていると「ご縁があって…」と度々「縁」と云う言葉が出てくる。
飲食業は蔵元、生産者やお客さん、従業員との縁も大事だろうし、新店を出店する際の不動産会社との縁も大事だろう。
よく働き、人と人との縁を大事にするのが商売を成功させる秘訣なのかも知れない。
こうして年に数回、少しの間だけだが、彼に偶然にばったり会う事も何かの縁なのだろう。彼にとっては俺に会う事は何のメリットも無いが、俺にとっては色々な事を考えさせられるきっかけになるので、こうして彼と会えるのは、ありがたい事だ。
稲垣さんの燗酒は、俺の好みの味だった。ただ、人が多くてせっかくたくさんの酒器があるにもかかわらず、器との相性を合わせる事が出来ず少し残念だったが、燗酒を呑む人が多く居る事に関心した。是非とも佐久間さんのお店に行って頂いて燗酒をどんどん呑んで欲しいものだ。
押上の「酔香」に行ってきた
12月のある日、押上にある日本酒バー「酔香」に行ってきた。
「酔香」のマスターのSさんとは、その昔、俺が池袋の会社でサラリーマンをしていた頃からの呑み仲間だ。仲間と書いたが彼の方が10歳程歳上だ。
当時、池袋の会社のすぐ近くに小さな居酒屋があって、そこで彼と知り合った。
その店は広さはわずか6坪。カウンターと小上がりが1つの小さな店で、メニューも無く初めて入った時には怪しい感じがしたが、今でいう日本酒バーの様な店だった。ちょうどバブルの頃で巷には派手な店ばかりだったので、それとは真逆の、渋く日本酒を飲ませる店は、知る人ぞ知る隠れ家的な存在だった。あの太田和彦さんも訪れた事があるらしい。
集う常連は皆さんが俺より年上で、個性的だが素敵な人達ばかりだった。
その中でもSさんは上品な大人の酒呑みで、いつも店にはスーツにネクタイを締めた姿で現れ、ダンディなイメージがあった。
その彼が長年勤めた大手出版社を辞め、6年前に突然押上で日本酒バーを始めたのだ。
開店日を聞きつけ行ってみると、初めて見る彼のカジュアルな服に前掛けの姿。これが意外と似合っていて(失礼)、店のしつらえが酒屋を改装した下町風の趣のある内装のせいか、既に何年も営業しているような立派な酒場の主人に見えた。
ちょうどその頃、押上に仕事場があったので足繁く通った。
最近は足が遠のいていたが、その日はSさんにちょっとした良い報告があったので、久しぶりに訪ねた。
これはマイ平盃で、開店当初から店に預かって貰っている。丹波立杭焼の作家の方に縁をできる限り薄くして作って貰った焼締めの盃だ。
久しぶりに呉春(ごしゅん)を。この酒は色々と思い出がある。俺の日本酒好きは、実はこの酒から始まったのだ。
先述の池袋の店の戸に、日本地図が描いてあった。全国各地の地酒の銘柄が書いてあるのだが、大阪の辺りに「呉春」とあった。
その頃日本酒に詳しい先輩から、大阪の呉春と云う酒が旨いと聞いていたので、その店に入ってみた。その時、呉春は無かったが色々な日本酒を飲ませてもらい、日本酒ファンになったのだ。
御祖酒造の「遊穂の湯〜ほっ。」温泉マークはやはりこの形がしっくりくる。
この他に画像は無いが、神亀純米酒、ハートランドビールなどを呑んで酔っ払ってしまい、いい加減になってきたのでお勘定をして帰った。
船橋のサウナ「ジートピア」に行ってきた
12月のある日、船橋のサウナ「ジートピア」に行ってきた。
千葉県船橋市のカプセルホテル&サウナ&マッサージ ジートピア JR総武線 船橋駅・京成線 船橋駅 3分の好アクセス。
JR船橋駅から徒歩3分と書いてあるが、5分くらいかかっただろうか。
先月までは「モンシャトー」と云う名前だったらしい。食堂のメニューには前の店名が書かれていた。その辺にユルさを感じる。
入館料は、日中は千円+消費税。深夜はさらにプラス千円。
館内にはリクライニングシートやカプセルもあって全て追加料金無しで利用できるので、かなりの激安価格だ。
店内に入ると靴箱の鍵を渡されて靴を収納し、フロントでお金を払い、ロッカーの鍵を渡される。一階のロッカーで館内着に着替えてから二階の浴室へ。
浴室の前にはマッサージ室があって、外国人のお姐さんに「マッサージどうですか?」と声を掛けられた。俺はいつもサウナではマッサージは受けないのでスルー。
浴室の中にはアカすりのコーナーもあって、これまた外国人のアカすり担当のお姐さんにしきりに声を掛けられるが、俺はアカすりもしないのでスルー。お姐さんの声掛け効果があるのか結構な人数がアカすりを受けていた。
入館料が安い分、他の所で回収しているのだろう。カプセルのテレビも有料だったし徹底している。
肝心のサウナと水風呂だが、サウナは低温と高温の2種類あって、高温は100度以上をキープしている。壁など経年劣化も見られるが概ね良好。
水風呂は少し小さめ。水温計は無いので正確な温度は分からないが、体感では20度は下回っているので充分だ。店の人が温度計を持って計りにきたので設定を聞くと18.8度だった。
しかし、俺が入った時間帯は、お客のマナーがすこぶる悪く、皆が汗を流さずそのままドボンしていた。
俺が入ろうとすると水面に白く垢が浮いていたので、「サウナしきじ」の常連さんの様にがっつり桶で水を掻き出してから入った。
最近良く行く赤坂のオリエンタルでは、こういう事態には遭遇しなかったんだけどね。ここの店はそれが普通なんだろうな。まぁ千円+消費税だから文句は言うまい。嫌なら帰ればいいし、そうでなければ掻き出せばよいのだ。
湯船は二つ、ぬる湯とあつ湯があって温度の設定が抜群に良かった。 ぬる湯に長く浸かってからあつ湯に少し入ってからの水風呂のローテーションが気に入った。
リクライニングシートのあるフロアには食堂もあるので一日中だらだらと滞在できる。ユルさが合わない人にはおすすめできないが、コスパが高いのでまた行ってみる事にしよう。
シンポジウム「関東の大雪に備える」に行ってきた2
そもそもこのシンポジウムは、2年前の2月に関東に大雪が降った事に起因している。
普段はめったに雪が積もらない小雪地帯の関東で、東京で30cm、特に山梨県では1m以上もの記録的な積雪になり、道路上で動けなくなった多くの車が何日も立往生したり、集落の孤立が数多く発生した。
この時に何が起こっていたのかを検証し、今後この様な大雪が降る恐れのある時、我々はどうすれば良いのかを考えよう、と云うのがこのシンポジウムの趣旨だった。
詳しくは、このシンポジウムが5時間にも及ぶ長丁場だったのと、内容がかなり専門的な事になるので、ここには書かない(書けないのではない)。
ざっくりとした事で云うと、
関東の雪の予報はまだ解明されていない事が多く不確実な事が多い
大雪が降り、車が道路上に立往生すると除雪が進まず、救急車などの緊急車両の通行の妨げになるので、大雪の恐れのある場合は不要不急の外出は控える
道路が不通になり孤立し、さらに着雪や倒木で電線が切れて停電が多く発生した。電気を使わないストーブや、数日の食料やスコップなどの少しの備えをしておく
など
シンポジウムのHPに荒木さんが撮った動画のリンクがあるので、興味のある方はそちらを見ていただきたい。
シンポジウム「関東の大雪に備える」2016年12月10日@気象庁講堂
中でも俺が興味を持ったのは、雪氷のセッションでの積雪の深さ・重さ・密度を観測する市民ネットワークを構築する、と云うものだ。
荒木さんがTwitterのユーザーに雪の結晶をスマホで撮ってツイートしてもらうのと似ているが、こちらはかなり専門的になるので、誰にでも出来るものではないと思う。
しかし、観測は天気予報の根幹なのだ。
いくらスパコンが発達した現在でも、観測した値をスパコンに入力しない事には予報は出来ない。気象に興味を持ち天気予報の精度が上がる事に期待をしている人は少なくはないだろうから、大勢の人々がこの雪の観測に協力していただきたい。
この日、一般の参加者の中には、俺が確認しただけでも、NHKの気象キャスターの斉田季美治さんや関口奈美さんの姿もあった。他にも多数の予報業務に携わる人が参加していたのではないだろうか。
荒木さんが普段からTwitterで発信しているおかげで多くの人が集まった。これを機に天気の研究が一気に進んで、予報の確度が高くなり、災害が減ることを願う。
シンポジウム「関東の大雪に備える」に行ってきた
12月のある日、「関東の大雪に備える」と云う気象のシンポジウムに行ってきた。
ここの所、酒を飲みに行った事しか書いてなかったので一言書いておくが、「シンポジウム」という名前の居酒屋やバーに酒を飲みに行ってきたのではない。
主催は、日本雪氷学会、日本気象学会、メソ気象研究連絡会と、飲兵衛の俺が行くような感じでは無さそうだけど、気象庁気象研究所の研究官の荒木健太郎さんが登壇するので是非とも行っておきたかった。
研究者って、普通の人には理解不能な凄く難しい事を考えていて、俺なんかとは縁が無い人だと思っていたが、荒木さんは彩雲やハロなどの、空で起きる現象の美しい画像をTwitterにアップして、少しでも一般の人に空に興味を持って親しんでもらおうとしている人なのだ。
空や天気に興味がある俺は、以前から荒木さんのTwitterにアップする空の画像を良く見ていた。
荒木さんは先月、11月24日に雪が降った日の前日に、自身のTwitterでスマホで雪の結晶の撮影をして、「#関東雪結晶」のハッシュタグを付けてツイートしてもらう事を呼びかけていた。
雪の結晶はiPhoneでも接写すれば撮影する事ができる。雪の結晶の形により上空の雲の状態が分かり、難しいとされる関東の雪の予報に役立つらしい。
雪の観測はアメダスなどで自動で行うのは積雪の深さくらいで、雪の結晶の採取は人が行わなくてはならず、観測点が少なすぎて、関東の雪の研究が進んでいなかったのだ。
もちろん俺も参加して雪の画像を荒木さんに送った。
ちょっとピントが甘いが、六花の樹枝状結晶が撮れた。こんなのがスマホで撮影できるなんて…
結構簡単に撮れたので、これは皆さんオススメですぞ。関東に雪が降った折には、フリースなどの素材に雪を乗せて撮り、撮影場所と先のハッシュタグを付けてアップしてもらえると、雪の研究に役立って関東の雪予報の精度が高くなるかもしれないし、樹枝状の結晶はキレイだから楽しみながら出来るので是非参加していただきたい。
画像を送った後に、荒木さんからお礼のメールが届いた。TwitterのDMやメールで送った人に返信しているらしい。かなりの人数に返信しなければならないだろうに律儀な人だ。
SNSを駆使して研究をするという先進的な一面もありつつ、とても誠実な荒木さんが登壇するこのシンポジウムは是非とも参加してみたかったのだ。
会場に着いたらもうすでに満席で立見が出るほどの盛況ぶりだった。
このシンポジウムは、気象・雪氷・災害情報の3つのセッションに分かれていて各専門分野の研究者7人が各20分間お話をされて、セッション毎にディスカッションをしていた。
質疑は事前に配布した付箋に参加者が書いたものを集め、その中から司会者が抽出して登壇者が応答していたので、1人でべらべらと長い時間質問する人が居なくてとても良かった。
途中で参加者が多くて付箋が足りなくなったが、Twitterで質問を受けたら?と参加者からの提案のつぶやきがあって、急遽Twitterでの質問が荒木さんのPCのTwitter画面がプロジェクターに写し出される様になった。今は殆んどの人がスマホを持っている。スマートホンだけに、スマートでスムーズな質疑応答が出来ていて良かった。
つづく
シネマノヴェチェントの「あらうんど四万十〜カールニカーラン〜」イベント上映会に行ってきた
先日の日曜日、横浜の映画館「シネマノヴェチェント」でご当地映画祭の企画として、あの「あらうんど四万十〜カールニカーラン〜」のイベント上映会があった。
上映後に監督・キャストのトークショーとその後に懇親会があったので、この映画をまだ観たことがない東京に住む同郷の高校時代の同級生を誘った。
「シネマノヴェチェント」は京浜急行で横浜駅からひと駅、戸部駅から徒歩で10分、藤棚商店街の入り口にある、席数は28席と小さいけれど、こだわりを感じる映画館だ。
思いのほか早く着いた。午前中からサウナに行って、少し喉が渇いていたので、チョイ飲みできる店は無いかと藤棚商店街を散歩していると、都橋「はる美」のノリスケさん(金曜日店主、女性)ご夫婦に会った。
先日、初めて「はる美」を訪れた際に、今日のイベント上映の事を伝えていたので来てくれたのだ。偶然だがノリスケさんのお宅はこの近所で、「シネマノヴェチェント」の館主とは知り合いだった。
Women's Networking Cafe 都橋はる美へようこそ! - 楽天ブログ
ノリスケさんは俺が映画館と反対側に向かって歩いているので、道に迷っていると思ったらしい。飲み屋を探していただけなのだが…
結局、昼間からやってる飲み屋は見つからず「シネマノヴェチェント」へ。
少し外で同級生を待ってから中に入ると、バーカウンターの前で、ノリスケさんが既にお酒を飲んでいた。その手があったのか…
そうこうしている間に同級生達も到着。 皆、すぐさまバーカウンターで生ビールを注文している。流石は酒飲み県の出身者だ。映画の中でも高知らしく昼夜問わずビールを飲んでいるシーンが多かった。リアルあらうんど四万十だ。
上映時間になったが、生ビールの樽を交換したばかりで泡が落ち着くのを待ち、注ぐのに時間がかかっている。しかしまだ映画は始まっていない。それはビールを注いでいる人がこの映画館の館主で、映写機を回すのも彼なので、ビールを注いでからじゃないと、映画は始まらないのである。こんなゆるい感じ、好きだな。
ビールも注ぎ終わり上映が始まった。
今日でこの映画を観るのは5回目。スクリーンで観るのはこれが最後かも知れないので、懐かしい風景をしっかりと目に焼き付けた。
今回初めて観た同級生二人も、高校の時に陸上部だったので余計に懐かしく感じただろう。
上映後、しばしの休憩ののち、監督とキャストと原案の西尾純哉さんが登壇しトークショーが始まるのだが、スクリーン前のテーブルにはビールが並べられていた。普通は水かお茶のペットボトルだろうが、このトークショーはビールを飲みながらやるらしい。監督もキャストも高知県出身なので、またまたリアルあらうんど四万十だ。写真は撮って無いのでノリスケさんのインスタでどうぞ。
トークショーの司会はビールを注いでいた館主だった。映画イベントの司会に慣れていて、この映画のこれまでの経緯を詳しく分かるような質問をしてくれて、初めて観た人もこの映画の事が良く分かったと思う。
監督が撮影中に小島よしおが来るのを当日まですっかり忘れていた話や、カンヌ映画祭で、ドバイの金持ちにこの映画を気に入って貰えて、パーティーにまで呼んでもらって、さらに新たな展開があるかと期待していたら、その後は何も音沙汰が無かった話など、普段は聞けない話も聞けた。
「シネマノヴェチェント」ではご当地映画祭は今回で2度目だそうで、そんなご当地映画の中には、館主自身がつまらないなぁと思うものでも、その地元の人が大勢で観に来る、大人気の作品もあったそうだ。ご当地映画は作品の出来と集客の相関関係はあまりないらしい。
そんな辛口の館主も、この「あらうんど四万十」はインディーズで低予算でありながら、脚本が良くて面白い作品なので、地元以外の全国各地の映画館や台湾やメキシコでも上映されたのだろう、と評していた。
これまで、映画を数多く観てきた人にそう言って貰えるのは、この映画を微力ながら応援してきた俺にとっても嬉しい。
その後は懇親会があって、監督やキャストと参加者で、鍋を囲みながら、和やかに酒を飲みつつ、話題は続編の話に。構想はあるようだけど先立つものが無いとね…
四万十市出身で俺と小中学校同級生の、タケシ役の荒木誠さんはトークショーで、空きっ腹でビールを飲んだために酔いが回って、トークショーの最中に眠そうな顔になっていたが、復活していた。一つ年上の小中学校の先輩と四万十のローカルな話題で盛り上がっていた。
終始ご機嫌だったのは、松田監督。
多分これが「あらうんど四万十」上映会、最後(?)のイベントだからか、やりきった清々しいこの笑顔。
ヤス役のビーグル38能勢さんとアキラ役の西村雄正さん。
能勢さんは芸人さんらしく、スクリーンの中でも笑いを取っていた。
TOHOシネマズでの舞台挨拶でも、壇上の監督や俳優さんが観客を前に緊張する中、絶妙な間でツッコミを入れて皆の緊張をほぐし、会場を沸かせていた。
新宿の松竹角座でのライブを観に行った時は、鉄板のおじいちゃんネタを披露していた。また観たいなぁ。
西村さんは、撮影の数ヶ月前から東京でロードバイクを買って、相当走り込んでから四万十での撮影に挑んでいた。道理で映画の中で様になっていたのだ。
ラストのタケシに背中を押されてからゴールするシーンはいつも涙腺が崩壊するんだよな。
あまりにも楽しくて、時の経つのを忘れていた。気がつくと22時を過ぎている。上映時間からだと7時間以上も経っていた。映画館にこんな長い時間居たことはない。
企画ももちろん良かったが、この映画館も良かった。シアターのイスも座り心地がいいし、バーカウンターもあって映画が好きで酒も好きな人にはたまらないだろうな。
ご当地映画祭での「あらうんど四万十」の上映は11月25日までだが、12月12日〜18日も上映されるので、まだ観てない方は是非ご覧になって頂きたい!
映画とトラットリア 横浜にある小さな映画館 シネマノヴェチェント